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店頭での、とある会話

先日、とある飲食店で店員とお客さんのやり取りが耳に入ってきました。

お客さんは食材について質問していて、何やら、病気により食事制限がある人へ、美味しいものを買っていきたい様子です。
店員は使っている食材について分かる範囲で答え、それに応じてお客さんも買い物をしていました。

このお店はチェーン店舗ではなく、オーナーが商品開発、調理と共に店頭で販売もするという形態と推測できます。

傍から見る限りでは、オーナーはお客さんの質問に答えて解決策を提示していました。
お客さんも、「美味しいもの」が変えて、満足感を得られていたと思います。
顧客満足度の醸成の観点でも、落ち度のない対応でした。

オーナーをいわゆる「職人」と捉えると、もしかしたら、あまり口達者になる必要はなく、少し無骨なくらいが、店に箔がつくと言えるかもしれません。

ちょっと踏み込んで会話をしてみる

ただ、ここでもう少しお客さんと会話し、根掘り葉掘り聞いても良いのではとも感じました。
「どの様な病気で、何にどの位の制限があるのか」と言った感じです。

医者ではないので、当然、病気に何か出来る訳ではありません。しかしながら、

  •  ニーズを聞くと言う点では、同じ様な病気を持つ人への商品開発のヒントになりそうですし、
  •  その様な状況でもあえて自社の商品を買いに来てくれたお客さんに共感することで、ロイヤリティの向上が期待できます。

エアコン清掃をお願いして

これも個人的に話ですが、シーズン前のお得料金ということで、先日エアコンの清掃を依頼しました。
このケースでは、事前に、もしかしたら事後も、サービスの質が見えにくいので、Webで悩みながらの業者選定でした。
日中なので立ち会えませんでしたが、この様なご時世(良い評価もそうでない評価もSNSですぐに広まる)もあってか、前日連絡もあり礼儀正しいサービスをしてくれた様です。

そして実は、この方が持つノウハウや経験に期待していました。
どんな仕事で、あれまず実際にモノを触るというのは貴重な経験のはずです。
そして、メーカー、型番や年式、または各家庭で異なる使われ方をしている数多くのエアコンをメンテナンスしていることは、メーカーのサービスマンにもない経験ですよね。

この方は、当然高いサービスを進めることもできましたが、我が家の機械の状況を見て妥当だろうと思われるアドバイスをくれたようです。

やはり、このアプローチは大事ですよね。
感覚的に、いい買い物をしたと思えますし、次回エアコン以外の仕事でも、まずはこの方が第一候補になります。どうやら、個人で事業をされているようでしたので。

同じような状況は他にも

車のメンテナンスも状況が似ていますが、何気ない会話でも、専門家から得られる情報はオーナーにとっては非常に価値が高いはずです。
また、情報量が多い方が、受けてはより主体的に正当に判断できると思います。周りの意見や噂等によることはなく。

現地の生活や仕事で感じた「アメリカ人が良い意味でお喋り」なのに対して、日本人はやはり「真面目」で「気を使って」、「相手に聞かれたことに答える」ことに重きをおいているように感じます。
聞かれたこと以上、聞かれていないことは答えないと。
ただ、もしかしたら関西は違うのかもしれませんが??

商品・サービスを提供する側で考えると

これらを自分自身のビジネスとして考えると、すこしお節介なくらいで、相手に会話を投げかけても良いのではないかと、改めて思いました。
もちろん、喋りすぎや、全く関係のない、取り留めのない会話は良くないでしょうが。

やはり会話なので、話した量に比例して、「相手に+アルファの情報を与える」、「相手から新しい気づきをもらう」ことができるはずです。
この情報や気づきに大きな価値がありますよね。
「対話は価値をうむ」と誰かが言ったような、言わなかったような。

そのようなわけで、改めて、自分自身のビジネスを行う時も、特にコンサルティングでは成果が見えにくいので「もうひと会話」を心がけようと思いました。