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その①はこちらです。

他社とのすり合わせによって築きあげた、模倣困難な技術力
生産性を高まるための作業プロセスや作業員自身がもつ独自のノウハウ
売上拡大や収益管理に必要な実績や顧客データ分析と戦略立案

などが、まさに暗黙知が重視される側面だと思います。
そのため、自らの経験に根差した暗黙知は他社の模倣が困難で、まさに自社とって競争優位になりうる貴重な資源でしょうが、一方で少し使い方を間違えるとマイナスの影響もありそうです。

生産性を考える

一年程前に、セミナーに関連して、生産性や働き方改革について、いろいろ調べ考える機会がありました。
その後も関連する情報やトピックスには目をとめるようにしています。

そこから、いくつか生産性向上の断面を切り取ると、

暗黙知に依存しない組織づくり

日経ビジネスの記事で、ある経営者が、「暗黙知に依存しない組織づくり」をおこなっているという記事を読みました。
彼は暗黙知を「文化」と表現していますが、「しきたり」とも解釈できると思います。

会社の業務遂行や意思決定に、ルールブックに定義された形式知ではなく、個人の経験や感性に基づく暗黙知が強く影響していて、結果として企業の意思決定のスピードを落としているとしています。

「明文化されたルール以外はルールじゃない」とコメントしていました。

会社の仕事において、上長の承認を取るためや”うまく”案件を進めるために、長年の経験に基づくコツが必要となると、正に暗黙知が幅を聞かせている状況でしょう。

彼は外部から来た経営の専門家の方で、まさに必要があって組織の変革を進めているため、「変化のスピードや施策の効果を下げる」様な、「生え抜き以外には良くわからない」様な、暗黙のルールは非常に扱いづらかったのでしょう。

仕事を人に依存させない

働きやすい環境を考えた時に、「業務が人に依存しない(代わりがいる)」や「“社内調整”のストレスが少ない」が挙げられると思っています。雇用側にとっては、個人に情報やノウハウが過度に集約することで、業務の高度化や効率化は図れるかもしれません。

「〇〇さんに任せておけば大丈夫、何かあったら〇〇さんに聞けばいい」という状況です。しかしながら、一方で人材流出時のインパクトの拡大や、需要に応じた事業の拡大が困難になる等が考えられます。

また従業員本人にとっては、仕事に対するやりがいが高まるでしょうが、自分の責任が過度に高まることで、ストレスやプレッシャーが高まり、必然的に拘束時間も高まるのではないかと考えられます。

形式知化が重要

技術、生産やノウハウ等の会社の競争力に関する暗黙知と、主に社内で上手く仕事を勧めていくための暗黙知は、狭義では異なるのかもしれません。しかしながら、実際に日々の業務の中では「暗黙知の種類」まで意識することは難しいと思われ、やはり積極的に形式知化することが正しいと考えられます。

形式知から暗黙知化のサイクルは、自分の興味のあることや業務の本質の掘り下げであり、無意識で進められるように感じます。
しかしながら、暗黙知から形式知化のサイクルは、教育やマニュアル化のような本質とは異なる要素も出てくるために、個人に依存すると進みづらく、組織としての仕組みづくりが必要になりそうです。

社会の変化から考えると

特に日本では、労働生産人口の減少という、長期的な問題と向き合っていかなければいけない状況にあります。機械やIT等のテクノロジーの活用がひとつの解決策ではあるでしょうが、それで全てが片付けられるものではなく、人の働き方も変えていく必要があると思います。

生産性という面では、業務は標準化して、人は複数業務を担当できる多能工化して、部門間や業務感のバラツキを解消して、全体のアウトプット量を高める。

働きやすさという面では、仕事の個人への過度な依存を解消して、多能工化を進めることで、チーム内で助け合える環境をつくる。

これらによって、仕事のアウトプットの量と質を高めることが、国内外のライバル企業と競っていくうえでは必要ではないでしょうか。