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「ニッチ市場でトップシェアの中小企業」、「人類に不可欠な大きな市場でトップシェアのグローバル企業」の経験から最近感じた事と、そこから立場を変えて「小回りが効いてかつチャレンジャーの立場にある企業」つまりチャレンジャー側から市場の戦い方を考えてみました。

業種としては、規模の経済性がある程度は効くが相応にコストも増える製造業をイメージしています。
ソフトウェア等のIT系やアマゾン等の新しいインフラ系は異なるかもしれません。

課せられた命題

業界内でのシェア争い

業界内でトップあるいはそれに肉薄する位置にいると、シェアの確保が重要な課題になります。

そのようなポジションにいる会社にとって、自社の成長(売上の増加、シェアの維持・向上)は不可欠。
業界トップというのが、営業におけるブランド力や訴求点や購買における交渉力になり、優秀な人材や希少性の高い情報の確保にもプラスに働く等と、捨てがたいメリットが多くありますね。

競合他社との戦いにおける勝者でいることが、今現在の当社の立場を作っているからです。

新たな参入者

「創業する」、「新たな市場に参入する」立場から考えると、市場特性にもよりますが、まずは新規参入に多くのハードルを乗り越える必要があります。

それらの”断崖絶壁”を乗り越えて、結果として、「高い理念やアイディア」、「社会の困りごとに対応する新しいスキーム」、「素早い行動力」や「困難を乗り越える強い意志」を持った、(結果として参入が叶わなかった他社と比べ)非常に優秀なプレーヤーが乗り込んできます。

上記に加え、組織の小ささから必要となる固定費が低く、多くのケースで当社より「価格競争力」がありそうです。

トップ企業にとっては、業界の常識を変えようとする強力なライバルになります。

もしかしたら、企業理念やビジネスモデルはそっちのけで、単純に模倣して開発費を抑え、品質を少し落としてコストを削減することで、ほぼおなじものをより安く販売する競合があらわれるかもしれません。

診断士の立場からでは、真のビジネスではなく単なる金儲けで、面白味にかけるなと思っています。

勝ち残るためには

市場を作り上げてトップランナーとして牽引するなかで、市場の成長が続き参入の余地(利益)がある時は、限りない競合が市場に参入してきます。
そして、需要と供給のバランスが取れてくると、顧客側の交渉力が高まり始め、供給者側での競争がはじまります。

やはり依然として、その市場内でのシェアが、プレーヤーとしての優位性を決める条件になると考えられます。
スマートフォンのケースから考えても、技術や先進性、デザインだけでは、自社の市場へ与える影響やブランド力を確保するための戦いはできませんよね。

市場がある程度成熟してくると、市場からの退出者が出てくることも考えられ、そうするとシェアを守ろうとすると、競争の結果「必ずしも美味しくない商談」も取りにいかなければならず、「焼けぼっくりを拾いかねない」とも考えられます。

そうすると、多くの市場では、売上を伸ばしつつ利益も高めるのは中々難しいように思います。

例えば公共性の高い市場では、「必要としているところに商品やサービスを届けることを主眼とし、利益だけを追わない。」
とは言っても、ゴール(程度)の設定が難しそうですが。

あるいは、人々の生活を豊かにするため、新しい商品・サービスを生み出し続ける、つまり市場を創造し続けるという王道が、トップランナーとして追われるものの戦い方になるのかなと思っています。

突き詰めると、企業の規模や市場のポジションにかかわらず、永続する企業の考えられるあるべき姿の様になりましたが、いかがでしょうか。