コンサルティングの仕事を頂いた時に、私にとっては2つの山場があります。
山の登り道では、常に「上手くいくだろうか」という緊張感がありますが、同時にそこが醍醐味だったりもします。
目指すゴールの共有(第一の山)
毎回ではありますが、特に経営者ヒアリングの初回は、こちらも相当に緊張します。
事前に組織の概要の情報は得ていますが、これからある程度深いところを議論していく上では、上手くコミュニケーションを取っていくために、相手がどの様な方であるか気になります。
先日のフィードバックの項目にもありましたが、やはり、信頼関係を気づいて、会話がある程度盛り上がって、色々と情報を提供して頂かないと、踏み込んだ提案ができません。
提案を行う上では、その会社の強みなどの経営資源や、経営者が認識している課題も重要ですが、やはりゴールを共有することが最も重要であると考えています。
今後、各種施策を議論していくわけですが、ゴールが共有できていれば、施策の内容に意見の相違があっても調整していけると考えています。
「大局を見ながら、必要に応じ細部も調整する」イメージです。
施策そのものはあくまで手段です。もちろん有効性を高めることは重要ですが、そのためにもやはり何を目指しているが重要になると思います。
改善施策の提示(第二の山)
まずはゴールを共有した上で、各パーツを議論していきます。
- SWOT分析等による事業環境分析
- 過去数年分の財務諸表を分析する財務分析
- 4PやQCD等の販売・マーケティングや生産戦略
などです。
複数回数のヒアリングであれば、毎回のヒアリングで、各パーツを順番に議論し、施策全体を固めていきます。
ヒアリングの回数が少ないケースでは、ある程度仮定もふくめ、施策を検討していきます。
そして、施策をなるべく具体的に「誰が、何を、どの様に」といった感じでまとめていきます。
この時点でぼんやりしてしまうと、当然相手に伝わらず、施策の実現性は極めて低くなるでしょう。
ここが第二の山になります。
「表面的で、一般論的な提案になっていないか?」
あるいは、
「深掘りを試みたせいで、話が間違った方に進んでいないか、わかりにくくなっていないか、実行が難しくなっていないか?」
と言った感じです。
施策をどの広さで提案するかの「幅」と、どのレベルまで行くかの「深さ」の判断をするために、様々な角度で繰り返し考え、シミュレーションします。
ただ、いつまでも先延ばしにできるものでもありませんので、「清水の舞台から飛び降りる」かの様に覚悟を決めアウトプットを仕上げていきます。
自信云々よりも、最善の策を決めるのが悩む点です。
まとめと対策
この二つの山場を行動に落とすと、
- まずは、ヒアリングからより多くの情報を頂くためのコミュニケーション力
- 次に、「相手の現状や課題を深く理解すし、有効な施策を導く」ための専門性
- そして、相手の気づきを促せる様な、会話や支援の進め方
を磨くことで、悩みは減らずとも、緊張感を楽しんで成果を高めることができるのかもしれません。
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