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中小企業白書は、診断士一次のマーク式試験の勉強をしていることは、暗記科目であり毎年内容が変わる少し「侮れない奴」といった感じでした。

ところが、二次の論述になると、企業の成功事例を分かりやすく説明してくれる「なんだ、いい奴ではないか」と変わってきました。

 

そして実際に現場に出るようになると、

世の中の変化(世界と日本) × 政府の支援政策 ×成功企業の事例集

が一冊にまとめられている「非常に優秀な御方」に見方が変わってきました。

 

 

中小企業白書・小規模企業白書とは

 

中小企業白書とは、中小企業庁が毎年国会に提出するもので、1964年以来毎年発行されています。

 

近年は、下記の構成で作られています。

 第一部で、中小企業を取り巻く経済動向や経営環境

 第二部で、その年の課題テーマに関する提言と成功事例

 第三部で、前年実施と当年実施予定の中小企業施策の説明

 

一部では、豊富調査データから企業の外部環境の傾向を見ることができます。

二部は、今年は人手不足と生産性の向上が挙げられているように、その年のテーマを掘り下げ、成功事例を含む提言が書かれているので、非常に参考になりまた読み応えがあります。

 

2018年版の概要

 

白書自体は中小企業庁のホームページで全文がPDFで開示されています。一週間前くらいに発行されました。今年も、500ページ以上と情報量に期待が膨らみます。

さすがに国が作るだけはあります。

概要版もパワーポイント10ページ位であり、こちらも全体像を把握するには便利だと思います。

 

今年の概要には以下の「10ポイント」が書かれています。

キーワードの抜粋ですが、それだけでも特に今年はわくわくしますよね。

 

中小企業の景況感は改善も、大企業との生産性の格差は拡大

下請取引は改善

業務プロセスの改善が生産性向上の前提

多能工化・兼任化が生産性向上に寄与

地元のITベンダーがIT導入の身近な相談相手

業務領域や企業の枠を超えた連携が、ITの効果をたかめる

生産性向上には前向きな投資が重要

中小企業のM&Aが増加

経営者の業務効率化が急務

支援機関の役割が重要

 

2017年は事業承継と人材不足がメインテーマでした。

基本的には毎年テーマが変わるため、2年続いた人手不足については、引き続き状況が悪くなっていると言えると思います。

ただ、人手不足には今後も特効薬がないため、一人ひとりの生産性を高め、国全体のOutputを維持・向上するという狙いは多くの場面で一貫した日本の目標です。

 

この概要だけでも、経営相談や支援の仕事をしていると、まさに現場で直面するトピックスです。

また、補助金関連の仕事をしていても、「企業の成長を補助して促進させることが目的」という点からは、中小企業白書を読むことで、補助金を活用して企業が目指す方向のコアとなる部分が見えてくると思います。

 

 

といった、素晴らしい白書が発行されたので、このゴールデンウィークは読み込んで、気になったポイントを掘り下げて、ブログの記事にしていくことで自分自身の知識にしてきたいと考えています