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3月4月はあまり顧客と面と向かって仕事をする機会がなかったのですが、ここ2,3週間は、新しい仕事の立ち上がりや一日だけど支援の仕事があったので、改めてエンドユーザーとの接点の重要性を考えました。

市場・顧客のニーズや課題を捉えるという、ビジネスでは不可欠な点と、私には、やはり外部からの刺激が内的動機づけにつながると思っています。

市場や顧客を知る

改善提案の仕事をしていて、売上増加や販売戦略について考える時には、やはり最終消費者の声がどれだけ聞けているかが大事ですねと話をしています。
消費者へ商品・サービスを提供するB to Cの事業ですと、顧客のニーズや課題を捉えて、なぜ他社ではなく自社が選んでもらえるのかを明確にしないと、4P(Price、Product、Place、Promotion)で有効な施策を打てません。

情報化が進んでいるので、従来型メディアだけでなくSNSなどの新しい方法でもまとまった深い情報が入ってくるとは思いますが、どこかで絞り込みや仮説検証が必要になった時には、顧客のリアルな声が必要になると考えられます。

人を知る

今の会社では顧客とあうことはなく、いわゆる現場から上がってきた数字を分析する仕事をしています。
当然、会社は分業によって成り立っているので、大きくなればなっただけの結果で、特に不満があるわけではなく、また異なる面白みを感じています。
いかにして数字から課題を設定して、施策を作り上げるかと言ったところです。

しかしながら、少し前まで営業をしていた時は、やはり顧客との打ち合わせの直前には、デスクワークでは味わえない緊張感がありました。
何年か前のロサンゼルスで、テンションが高くなることが予想される打ち合わせの前に、顧客の工場の駐車場で、レンタカーの中で潰したあの10分間の緊張感は、英語というハードルも相まって忘れられません。

そのため、ここ最近は診断士として初めての人と会う機会が多かったので、久しぶりにあの緊張感を感じることができました。

米国やアジアの海外のお客さんとの商談もそうでしたが、今は初対面で業界も立場も全く異なるも、まずは「目標や目的を共有して“We are in the same boat”状態にいかにして持っていくか」といった葛藤です。

ただ、緊張感やその他の立場の違い等を乗り越えて、本当にSame Boatに乗り込めた時には、他では味わい難い対面の仕事の楽しさがあります。
個人的には、顧客の仕事を知るだけではなく、人も知らないとこの一体感は出せないと考えています。

コンサルティングで重要だと考えていること

中小企業診断士やコンサルティング業は、助言をする立場になるため、まずは継続的な知識のインプットが重要だと思っています。

しかしながら、伝える相手の環境が千差万別で、それ故に助言にも明確な正解・不正解が出にくいと思います。
「Aという答えが、Bという会社には最適だが、Cという会社にはそうでない」と言った感じです。
目に見えてスペックがある物を売っているわけではなく、提供するものが無形でその内容にも明確な正解や不正解がない故に、同じ「提案」でも場の作り方によって伝わり方が変わってくるはずです。

そう考えると今の仕事では、エンドユーザーとの接点を増やすことが、診断士としての現場を知る貴重な機会であり、「聞く」「伝える」といった技術的なところを磨く貴重なきかいだなと、改めて実感しています。