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6月から7月にかけては、経営支援業務2件と他の診断士関連業務がいくつか同時並行で、考えなければいけないことが多く、ブログの記事を考える気持ち的な余裕がありませんでした。

ただ、診断業務が1件終わり、関連業務も一段落したので、改めていわゆる自分の仕事の基地になるであろう(そうなってほしい)ブログの建設に取り組みます。。

直近の診断・支援業務は、グループ診断と個人の2件でしたが、支援する側から見たグループワークと個人ワークの違いを考えました。

まずはグループワーク

診断士の論述試験に合格すると、登録のための実務補修があります。基本的には、グループで経験の長い先輩中小企業診断士の指導のもと、実際に企業にはいり改善提案書をつくることになります。
実務では、テキストで学ぶことや試験に出る事例のように明確な回答があるわけではないので、当然の様にグループ全員で試行錯誤の積み重ねになります。

だいたい3社の実務補修が終わり診断士と登録しても、急に「よし、やってやるぜ」と自信がつくわけではないので、その後も、グループワークを何回か行い、経験値アップに努めました。

個の力が勝負どころ

ただ当然にグループワークを進める中でも、最終的には個人で支援業務を行うことが目標でした。

グループならではの難しさは、メンバーの考えの違いを一つにまとめるところにあります。最終的には一冊あるいはひとつのストーリーの経営改善計画にまとめるので、各分担パートの提案の方向性や深さに一貫性が求められます。
そうなると、提案に優先事項をつける時に、例えば「全体最適を取って」なのか、「個々の重みを見て」なのか等々でジレンマが発生します。
それぞれのバックグラウンドが異なるいい歳「の大人が集まって、しかも基本的には初対面の中で、時に真剣になればなるほど、全員の意見の調整に費やす労力が大きくなります。

もう一つが、社長とのコミュニケーションです。
グループ診断ですと多くの場合は、社長一人に対しこちらが4-6人になります。
そうすると、こちらからは順番に質問を投げることになり、実は一対一のコミュニケーションは少なく、相手と自分と言った「会話術」の様なところは磨かれにくい状況です。
例えば、面談のストーリーを事前に用意して、「話の導入」、「関心の引きつけ」、「議論したい内容への誘導」や、ここが大事だと思いますが本音が出た時等の「意外性への対応」です。

やはり、「企業の目標と現状の問題点から課題を設定する」、「目標に向かって課題の対策に取り組む」といった点を、社長と密度の高いコミュニケーションを取りながら考え伝えるといったプロセスは、診断士の醍醐味ではないかと思っています。
基本的には絶対的な正解がない分野で、「何を」に加え「どうやって」伝えるかがポイントになると考えられます。

やっぱりグループワークも重要

ただ、ある程度個人で案件をこなせるようになっても、依然として、グループワークは重要だと感じています。

診断業務に関しては、「提案の幅を広げる」であったり「自身の客観的な判断」ためには、他の診断士の考え方を聞くのは大変参考になります。
多くの仕事で同じでしょうが、まさに、「ライバルや同業他社がどのように仕事をしているか」への興味です。
自分ではベストな仕事をしているつもりでも、他社との協業や比較により「これまでになかった引き出し」や「ちょっとした発見」を得られます。

もっとも、中小企業診断士をやり他社様のお手伝いをしようという人々なので、いい意味でおせっかいな方々が多く、また、士業の中でも独占領域がないため、皆さん幅広いエリアで個人の独自の強みを生かして戦っているので、単なるネットワークづくり以上にインタラクティブなお付き合いが面白いという点も強いです。
その領域の広さ故に、商圏のバッティングや事業内容でライバルにはなりにくいのかなと思っています。

最後に

中小企業診断士としては3年目になり、先輩方のご指導のおかげで、最初の目標であった「個人で一気通貫のコンサルティング業務を行う」は対応可能な領域が広がりつつあります。
もちろん、継続的な強み分野の強化と、領域の拡大は必要ですが。

ただ、「社長との密度の高いコミュニケーション」という点では、個人ワークの次は、直接仕事を頂く機会を増やすことが次の目標です。
今のところ、公募や紹介等の他様の仕組みを使って話を頂いているので、全体の枠組みは3者間になっており、そのため当然そこ(3者)を意識して案件を進めています。
近い将来に、2者間で仕事ができる様になると、また違った点が見えてくるのではないかと考えています。