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展示会出展の支援がきっかけで、その後の商工会の情報交換会に参加する機会がありました。主に、地元の中小企業の経営者の方々が、共通となる課題に対する情報共有や意見交換を行うものでした。

中小企業診断士の活動を通じて経営者の方と話をする機会は多くありますが、社長同士の意見交換と言った場への参加はこれまでなかったので、興味深く参加しました。

中小企業の働き方改革

いくつかトピックスがありましたが、一番難しいなと感じたのが、“中小企業の働き方改革”でした。
もちろん大企業との共通点もありますが、中小企業の経営者の方々から出たコメントです。

「取引先からの急ぎのオーダーに対応しなければいけない」「顧客、特に大手取引先の残業削減のしわ寄せが、自社に来てしまう」等といった懸念があげられました。
この点は、企業の売上・収益管理や顧客サービス等の「会社のあり方」にも関わってくるため、正解を導きにくい様に思いました。

また、「より働いてより収入を得たい社員にはどうしてあげればいいのか」といったコメントもありました。
この点も悩ましいと思います。就労機会と報酬の提供は、雇い主側の責任でもあるため、「働かせてあげられない」という葛藤が生まれそうです。

これらを踏まえた大半の意見は、法の施行が一年早い大企業の取り組み状況を見てみようものでした。
やはり、まずは各社の実施事例や成功事例が参考になりそうです。

本質的なところは

働き方改革関連法や働き方改革を考えた時に、一番明確でわかりやすいことが、長時間労働の解消(残業時間の削減)になるため、どうしても従業員の労働時間に目がいってしまいます。
しかしながら、本質的には、今後増えていく会社以外の時間をどの様に過ごすか、充実させるかが重要ですよね。

例えば、
家族との時間を増やす → 支出や消費の増加
健康促進 → 医療費の削減
副業促進 → サービス残業から対価の得られる労働へ、GDP増加
副業や趣味を通じた個人スキルのアップ → 何歳までも社会に価値が提供できる、一時的な失業の回避
などです。

これらの目的のための手段として、労働時間の短縮を考えると、顧客や社員との向き合い方も変わってくるように思います。