Pocket

日本では7,8年ぶり位に、ディスニーリゾート(今回は、ディズニーランド)へ行ってきました。

30年近く前のこの時期に、卒業間近の中学校の課外授業で行った思い出や、今年小学校を卒業する長女を初めてディズニーランドへ連れて行った10年前の思い出が頭を過りました。

35年間変わらない世界観

今年は35周年とのことですが、長年変わらない園内の雰囲気や世界観から、改めて、30年前の自分が中学生だった頃や、10年前に長女が2歳で初めてディズニーランドに来た子供と親の感動を思い出しました。
これだけ長く続けていると、多くの来場者にそれぞれのストーリーがありますよね。

もともとディズニーという大きなバックボーンがあるにせよ、会社や組織として見た時に、実際に働く人が変わっても同じレベル商品・サービスの提供を続けられることは素晴らしいことですよね。
いわゆる現場で働くスタッフのマニュアル等の整備はもちろんでしょうが、目に見えない何かが、会社の経営陣に脈々と受け継がれているのでしょう。

会社として、来場者数をはじめとする財務的なKPI管理も大事ですが、仕事や顧客に対する思いは組織の中長期的な成長には不可欠で、ディズニーリゾートではミッキーマウス達が「本部スタッフ」に変わるこれら組織文化の伝道者になっているように思います。

やはり最強のブランド?

と、ブランディングの面では、なかなか参考にするのが難しいな、というのが改めての感想でした。
ディズニーランドそのものが、ブランドのコアなところで、そこに毎日お客さんが集り、キャストとお客さんが一体となってその独特な世界を作っていますからね。

プロダクト3層モデルで言うところの、製品の中核、製品の実体、製品の付随機能がほぼ一体の、かなり珍しい例ではないでしょうか。

製品の中核は、小さい子供たちが大好きになって憧れる、ディズニー映画のキャラクターやストーリーですね。
製品の実体は、ディズニー映画を再現した、アトラクションや園内の雰囲気でしょうか。
製品の付随機能は、付随と言うと怒られるかも知れませんが、ディズニー映画では出てくることのないキャストにあると思います。キャストが来場者と一体になって、親密なサービスで来場者一人ひとりに対してディズニーリゾートの世界観を作り、ブランドを磨き上げていることだと思います。

そして、何十年たっても、自分が子供から親へと立場が変わって、また違う視点で楽しめる場所になり、長い目で見ても最強のブランドに思えます。
来場者等のKPIの浮き沈みは短期的にあるにせよ、ディズニーリゾートの世界観は時代を超えて色あせないと思います。

細部へのこだわり

そんな中で、今回、少し驚いたのは、この花粉症真っただ中の時期でも、キャストの人々がマスクをしていなかったことです。
花粉症の私が想像するだけでもこの時期に外で働くのは「大変だ」と思い、もしかしたら賛否両論あるかもしれないけれど、「マスクなし」と決断してやり抜くところは流石だなと思いました。

私自身も、ついついマスクを外して一日中遊び通したため、翌日は目と鼻が大変なことになっていましたが、そうさせる高揚感の様なものがありました。

長い時間をかけてブランドを磨き続ける上では、細かいところにもこだわり、妥協をしてはいけないなと改めて感じされられる一面でした。

時代の変化も

少し変わったかなと思うところがあったのは、エレクトリカルパレードでした。
7-8年前に比べると、電飾は色や光のコントロールがより細かく行われ再現性が高まり、ずいぶんと綺麗になりましたよね。

一方で、電飾の乗り物と一緒にパレードを歩いて踊る人の数が減ったように思いました。
彼らは、乗り物ほどの華やかさはないけれど、踊りによってパレードにダイナミックさを演出していたので、少し寂しくなってしまった様に感じました。

難しいですね。やはり人が集まりにくいや、人件費の高騰が背景にあるのでしょうか。
もしかしたら、園の運営全体で見た時に、来場者の求めるサービスが変わってきているのかしれませんが、以前を知るも者としては少しさびしく感じてしまいます。

そうかと言って、ドローンやロボットが踊って躍動感をだすのもディズニーリゾートらしさではないですよね。。
気になって検索すると、やはりパレードに関するページもいくつかありました。

「特にサービス業は、顧客の期待値を少しでも超えるべき」、と自戒も含めて常に思っていますので、この点は何とか頑張ってほしいなと思いました。
人数を増やすといった直球ではなく、何か視点を変えた変化球でも良いので、躍動感や賑やかさをだしてほしいです。